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中田翔1軍昇格への意外なハードル

 北海道日本ハムの黄金ルーキー、中田翔内野手(18歳=大阪桐蔭高卒)の一軍昇格へ、意外なハードルが課せられた。


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 キャンプ中に「打球が飛んでくるのが怖い」と漏らしていた中田に二軍落ちが告げられたのは3月12日。梨田昌孝監督は「打球を飛ばす能力は自信を持っていいが、代打には疑問符が付き、守備や代走では厳しい」と理由を説明した。
 しかし、ちょうど1か月が過ぎた4月12日、中田の育成に関して全権を任されている水上善雄二軍監督はこのように明言している。
「守備だけに関して言えば、そこそこはできると上には報告しています。私個人としては(一軍でも)いけると思っている」
 4月に入って内野手に故障者が続出した一軍のチーム事情もあって、3年目の陽仲寿、6年目の尾崎匡哉の両内野手が相次いで一軍に昇格した。厳しいとされた守備が及第点に達した中田に声が掛からなかった理由について、水上二軍監督は「あとはバッティング」と課題を挙げながらこう続けた。
「この打席は撃てないかな、という雰囲気が消えれば。いつでも、どんな状況でも期待できるようになれば一軍です」


 高校通算87本塁打の新記録を手土産にプロの門を叩いた巨砲は、もっとも得意とするはずの打撃ゆえに一軍への道を阻まれていた。4月16日現在の打撃成績は53打数10安打の打率・189。本塁打1、打点2。プロの洗礼をまともに受けていると言ってもいい。

 ある時、水上二軍監督は中田に問い掛けた。
「焦っているか」
 中田は即答した。
「自分にはまだやることがありますから」
 鎌ヶ谷ファイターズスタジアムでの試合で終わると、中田はレフトスタンド後方にある室内練習場へ向かうのが日課となっている。そこには必死の形相でトス打撃を繰り返し、納得できない時は天井を仰ぎながら悔しがる中田の姿があった。
「(梨田監督は)一から成長しろ、と言っていると思う。この先、一軍から声が掛かった時に『まだ準備ができていません』と言うわけにはいかない。力をつけて、結果を残したい」


 連日のようにスポーツ新聞の一面をジャックした自主トレやキャンプの時の喧騒が消え去った中で、清原和博以来の怪物と呼ばれるルーキーは一心不乱にバットを振る。キャンプ前は106kgを数え、メタボリックと揶揄された体重が94kgにまで落ちていることが練習量を物語る。
「少しずつだけど、雰囲気が出てきた」
 水上二軍監督が目を細める先で、中田はキャンプ中とはまったく異なるフォームに取り組んでいた。悩み、苦しんだ末にギャンブル性の強い一本足打法を捨て、高校2年の時以来というすり足打法にたどり着いた。
 中田本人が掲げる「やること」とは、確実性と一発の魅力の二兎を追い求めることにあった。

(以下 5月22日発売「論スポ!」創刊号にインタビュー掲載)

2008年5月 7日 12:05|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

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