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女子バスケ五輪王手に潜む陰 現地特別レポート
【FIBA女子オリンピック世界最終予選/2008年6月10日@スペイン・マドリッド】
北京オリンピック出場を目指すバスケットボール女子日本代表は、スペイン・マドリッドで行われた世界最終予選の初戦を勝利でスタートさせた。予選Aグループの日本は、同組のセネガルを71?69で破った。大会初日の9日にラトビアにも敗れたセネガルがこれで2敗となったため、明日のラトビア戦の結果を待たずに、日本の決勝トーナメント進出が確定したのである。
しかし、である。決して喜べるゲーム内容ではなかった。最終第4Q(クウォーター)が始まる時点での12点のリードは、開始4分で一気に吐き出された。4分間のスコアは0?10。結果としてそこからリードを許すことは一度もなかったが、参加12ヵ国中5ヵ国が出場権を得られる北京オリンピックへの一歩目としては、課題の残るゲームとだ。2004年のアテネオリンピックに出場し、今大会前に日本代表に復帰した矢野良子=富士通=はこう言っている。
「後半が悪すぎる。ミスから入ったら、ミスばっかり気にして、相手に得点を奪われて、またこっちがミスして...それだけですよ。後半は1度も自分たちのペースを掴んでないからね。でも修正は利くと思う。やっぱり、ミスなんですよね。そこだけなくしていけば」
ゲームの入り方、つまり前半は日本もペースを掴んでいた。矢野が3本の3ポイントシュートを含む11点、同じくこの大会で日本代表復帰を果たした小磯典子(旧姓・濱口。国内リーグでは「濱口」で登録しているが、国際大会はパスポート表記となるため、昨年結婚した濱口は「小磯」となる)=アイシンAW=が9点を挙げている。
「ゲームの入り方は珍しくよかったかもしれない。ただそこでみんなが「簡単にシュートが入るから大丈夫」っていうイメージになっちゃったんですよね。後半もあるよって言ったんだけど...。そしたら案の定、後半、セネガルがディフェンスの対応を変えてきて、それに対応しきれなくて、ミスが続いてしまった」
前日のゲームでセネガルはラトビアに34?94の大敗を喫している。そのゲームの前半を観客席から見ていた日本だけに、どこかにセネガルの粘りを甘く見ていたのかもしれない。大会前から内海知秀ヘッドコーチも「アフリカのチームは昔と違って、ゲームの途中で折れることがない。粘る力を持っている」と言っていた。にも関わらず、前半12点差、第3Qが終わった時点でも12点差、このままいけると思ってしまったのだろう。萩原美樹子アシスタントコーチもそれを認めている。
「前日のゲームのイメージはあったと思う。ただ今日のセネガルは昨日以上に粘ってきたし、ウチの詰めも甘かった。途中、逃げに回ったっていうか、守りに回っちゃったから。前半は攻めて、攻めて、それであの点差になったんだけど、後半は守ろう、守ろうとしちゃったんです」
ただそれが国際ゲームだ、と萩原は言う。選手時代にアトランタオリンピックで7位入賞、その後アメリカ女子プロバスケットボールリーグ・WNBAで活躍した萩原である。
「海外のチームと対戦するときって、パスを出すところがないとか、今日のような切羽詰った状況でどう攻めるかっていうのはとてもやりにくいんです。あの点差で、あの時間帯ってなるとどうしても守りに入っちゃうんですよ。そういう意味では、今日のゲームを勝ちきったというのは、いい経験になります。今日のような状況で、たとえば田中(利佳=JOMO=)がつなぐ、大神(雄子=フェニックス・マーキュリー)がつなぐ。確かに出来は悪いんだけど、悪いなりにファウルをもらってフリースローでつないでいくことができているので、経験という意味ではよかったのかなと。経験を積むには勝つことが一番いいことだから」
この大会に向けた合宿期間中に渡米、トライアウトからWNBAのフェニックス・マーキュリーに入団を決めた大神雄子といえども、オリンピックのかかったビッグトーナメントの経験はまだまだ少ない。そのなかで自分のできが悪いなりに、そして復帰組のベテラン勢に引っ張られる形とはいえ勝利をものにできたことは、大神ら若手にとっても今後につながるというわけだ。
「大きい1勝だもん、この1勝は。ホントに大きい」
萩原のこの言葉を選手たちがどうつなげていくか――明日のラトビア戦、そのあとに続く決勝トーナメントでその答えを出していくしかない。 (文責・スペイン、マドリッド・三上太)
2008年6月11日 12:19|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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