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水着問題のオープン化決定の手順は茶番だ。
日本水泳連盟の常務理事会が10日、都内の岸記念会館で開かれ、北京五輪における水着使用を個人の自由に任せる、オープン化の方針が発表された。オリンピックでスピードの水着を着てもOKという採決である。水連の林会長が、「選手が最大の力を発揮できるために」と、理由を語り、上野常務理事兼日本代表監督が「門戸を開いてくれたのは最高の結果。これで水着を言い訳にできない環境が整った」と感想を述べた。これまでのように3社メーカーとの用品提供契約に縛られ、明らかに記録がアップするスピード社の「LR」を着たくとも着られないという最悪の状態を解決したことは高く評価できる。
メーカーとの違約金も発生しない。ただ、気の毒なのは、個人の所属がミズノでありデサントである選手の取り扱いである。自由選択がルール化されたとしても、自分が給料もしくは、多大なスポンサー料をもらっている選手にすれば信義上着用はしにくい。
ミズノ所属の松田は、JAPANオープンでスピードを使用していたが、「本心は苦しい」とミックスゾーンで本音を漏らしていた。
「その問題については個人で解決してもらうこと。ただし、そこで相談があれば水連として聞くが...」(佐野専務理事)
「選手には担当コーチがついている。彼らが壁となり、守ってあげるべき」(上野代表監督)
このあたりの水連のケアは万全とはいえない。
そもそも、欧州選手権など、海外でスピード社「LR」着用の選手が世界新を連発したことが発端で、日本選手権後の合宿会見で平井コーチが「LRを着れないことはディスアドバンテージになる、ぜひ書いて欲しい」と強く訴えたことで表面化した。当初の「改良するつもりがない」などのメーカー3社の対応にもいささか疑問はあったのだが、もっと問題なのは、技術開発力では海外メーカーにひけを取らない日本のメーカーが、なぜ、英国のスピード社に先を取られたのかということである。
「LR」の特徴は締め付けによる水流面体積の縮小と、膝から下の下半身に対する浮力の2点に尽きるのだが、国内メーカーの認識からすれば、その浮力は、規約違反であるとの認識であった。それが実はOKであるという国際レゲレーションに対する情報不足、もっと言えば、その情報を手にする政治力に欠けていたと言わざるをえない。国内3社が、スピード社より速い水着を作っていれば何の問題もなかったのだが、実際は、日本は、それを誕生すべき環境になかったのである。ならば、たった3週間の期間で、新たな試作品を作らせた水連の手順は、茶番としか言いようがない。
「そこはむずかしい問題。今後、しっかりと情報を集めていかねばならない」と、佐野専務理事の歯切れも悪かった。
結論は◎。経緯は×。
会見後、上野代表監督は「これをもってこの問題を選手に取材するのはやめてもらいたい。選手は着る水着を当日決める」と念を押したが、そういう気配りをするならば、選手個々に同義的なジレンマを感じさせないようなケアを明確にして欲しかった。
2008年6月11日 01:54|記事URL|コメント(1)|トラックバック(0)
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コメント(1)
オリンピック出場選手の水着問題が一応の決着を見せたようですが、国内3メーカーがどれぐらいJOCや水連に金銭的/人的援助をしてきたかをどのメディアも報道してこなかったのが私には不思議です。メディアは3メーカーそれぞれがいったいいくら、あるいはどのような援助を行ってきたか、JOCあるいは水連とメーカーおよび個々の選手と水着メーカーとの契約内容および違反の場合の本来のペナルティー金額等を報道した上で、速い水着を着せさせるかどうかの評価報道をすべきではなかったかと思います。
水着メーカーにしてみれば、オリンピックで着てもらえるからこそ多大な援助をしてきたわけでしょうし、そのおかげで選手が育ったとも言えるわけです。最後の部分で「他社の水着でもいい」となったら、メーカーにしてみれば、それまでの援助は何だったのか?となるはずです。
水連はこの問題が浮上した時点で、まずスピード社の水着の評価をし、契約メーカーの水着で勝てるかどうかの判断を早急にすべきだったと思いますが、それをしなかったのは水連とメーカーとの馴れ合いがあったのではないでしょうか?
そして、「どのメーカーの水着を着用してもよい」という判断を下すのならば、その時点でこれまでの援助金(あるいはその一部)もしくは契約上のペナルティ金額を堂々とメーカー3社に返金すべきではないでしょうか?
片や援助はしろ、片やペナルティは支払わない、ではフェアプレイとは言えないと思います。もちろん、世間が大騒ぎしている今の段階になって、メーカーもペナルティを支払えとは言えないでしょうが。
本当に日本国民の多くが日本人のメダル獲得を切望するのなら、メーカーの援助に頼らず全額税金で選手育成をすべきではないでしょうか? そして水着をはじめその他のアイテムなども馴れ合いの長期契約ではなく、その都度競争させればいいのではないでしょうか?
私個人としては、速い水着を作れない3社が一方的に悪者になっている今の報道が納得できません。
次の『RON SPO』では、メーカーは一体どのような援助をしているのか(してきたのか)、メーカーと水連とに馴れ合い体質はないのか,といった視点でのバックアップを取った上で、論を張っていただきたいと思います。
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