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女子バスケ、敗戦の意味 特別現地レポート 三上太
【FIBA女子オリンピック世界最終予選/2008年6月11日@スペイン・マドリッド】
女子バスケット・北京オリンピック世界最終予選の3日目。前日のセネガル戦に勝利した日本代表は、ヨーロッパ予選4位でこの大会に進んだラトビアと対戦、69?83で敗れた。前日の勝利で決勝トーナメント進出は決めていたが、今日の負けでAグループの1位通過はならなかった。1位通過をしていれば、準々決勝でBグループ2位のアンゴラと対戦することになっていた。アンゴラは予選グループで南米の雄・アルゼンチンを破るなど勢いのあるチームだが、この大会が始まる前に行われた練習ゲームで日本に敗れている。練習ゲームの結果をそのまま鵜呑みにはできないが、日本は間違いなく精神的な余裕を持てたはずだ。だが、しかし、そうはならなかった。
前日のセネガル戦のあと、萩原美樹子アシスタントコーチは今日のラトビア戦についてこう話していた。
「日本はセネガルのようなどこから手が出てくるかわからない、運動能力に長けていて、訳のわからないチームが一番怖いと思うんです。そういう意味では明日のラトビアはある程度やることがわかっているし、セネガルのようにどこから手が出てくるかわからない怖さがないから、もちろん今の段階ではラトビアのほうが力は上かもしれないけど、一気に離されることはないと思う」
その言葉どおり、日本は序盤からしっかりとついていった。三谷藍(富士通)の3ポイントシュートを皮切りに、小磯典子(アイシンAW)の伝家の宝刀・フックショットが決めるなど、ラトビアに簡単にはペースをつかませなかった。
しかし第4Q、日本がラトビアのエース、アネト・ヤコブソンネ・ジョガタへのマークが厳しくしている間に、185?のフォワード、レバ・タレがシュートを決めていく。それによりマークが分散していき、ヤコブソンネ・ジョガタも息を吹き返していく。対する日本は、開始1分で矢野良子(富士通)が決めた3ポイントから約3分半、得点が止まってしまった。このQ、日本が挙げた得点は、8点である。
「今日はリョウさん(=矢野)が当たっていたので、リョウさんを使うっていうところは絶対だったんですけど、逆にリョウさんに頼りすぎて、リョウさんばかりを見すぎてしまった。3Qまではラトビアもアジャスト(対応)できていなかったんだけど、4Qになって向こうもバカじゃないからアジャストをしてくる。ラトビアのそのアジャストに対して自分たちがアジャストできなかった。それってチーム力、チームの層の厚さだと思う。インサイドからの合わせで何本かシュートが打てた場面もあったけど、今度はセンターが自分の1対1を忘れてバスばかりを見て、パスミスにつながってしまう...今日の負けはそういうところだと思う」
試合後に司令塔の大神雄子は最終Qをそう振り返っている。
チーム力、チームの層の厚さの差――しかしそれは、そう語る大神自身の問題でもある
チームのバスケットを思うあまり、この2試合、大神らしい思い切った攻撃が鳴りを潜めているのだ。アメリカ・WNBAのフェニックス・マーキュリーではスピードを生かした突破力と、そこからのアシストを求めれている大神。この2ヵ月、そのバスケットに浸りすぎたあまり、日本で見せていた彼女の「らしさ」が失われていたのだ。大神自身、合流が遅れた分、プレイ面でのチームとの融合を急ぎすぎているのかもしれない。チーム、チームと思いすぎて、実はチームから一番求められている、世界での通用する攻撃力を自ら封印している感があるのだ。内海知秀ヘッドコーチもそう感じているようだ。
「自分でゲームを作ろう、作ろうっていう気持ちがありすぎる。そればかりじゃ彼女のいいところが出てこないので、もっと攻めて、点を取りに行くことが必要だと思う」
海外の記者に今日のゲームのことを聞かれ、大神は英語で「Few Things.」、ちょっとしたことなんだ、と言っている。「1つのリバウンド、1つのセカンドショット(相手にオフェンスでリバウンドを奪われて、2回目の攻撃を決められること)、39分自分たちがよくても、1分ダメだったらダメなんだ。それが今日のすべてだと思う」と言っている。
Few things.ちょっとしたこと――そうなのだ。ちょっとだけ自分から攻めていく。ちょっとだけ本来の自分のスタイルを思い出す。大神の「ちょっとしたこと」で、大神が一番に思っている日本のバスケットは大きく変わる。(スペイン、マドリッド・文責・三上太)
2008年6月12日 11:53|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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