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YAWARAのママスタイルの限界
YAWARAちゃんが敗れた。
準決勝でドゥミトル(ルーマニア)に優勢負けを喫した。
リーチと体格で勝るドゥミトルは、奥衿を取りに来るが、谷は、それを嫌がって組まない。
もしくは、組まれた瞬間に技を放ちリスクを避ける柔道を徹した。お互い技らしい技が出ずに途中、両者に指導。そして終了30秒前に、組まれることを嫌い、うつ伏せになって投げを解除し続けた谷にだけ指導が出て、タイムアップ。
論スポの創刊号で、今回の試合解説を現地を行っていた山口香・強化委員が出していた「体力と瞬発力が落ちている。踏ん張っているつもりでも踏ん張りがきかない。身体が軽くなっている。だから1本を狙わない柔道にシフトチェンジしている。大きな技にリスクがあることを知っているのです。海外の選手はここまでは谷選手を怖がって組もうとしなかったが、研究すればどうなるか」という警告がまさに現実となった。
欧州選手権4連覇の25歳は、そこを見抜き『組む』意識を持った。
逆に谷は、『組まずにポイントを奪う』という北京型スタイルを貫いたのだが、世界柔道時に遅かった指導のタイミングが、北京では、テレビ中継などを意識した申し合わせにより早くなったこともマイナスに働いたのかもしれない。
3位決定戦では開き直った払い腰。リスクを承知の積極柔道で見事な1本を奪う。
関係者の一部は「あの柔道をやっていれば」と嘆く声もあるが、32歳、そして母となったことで、フィジカル面でブランクを作った谷の現状を考えれば、ベストな選択を選び、準決勝まで進んでいたのだと思う。ただ、両者指導をもらったまま、残り時間が少なくなった時点で、谷得意の勝負的ひらめき、すなわち、柔道スタイルの切り替えがあってもよかったのではないか。そこが谷の強さのもう一つの理由でもあったのだが...。
母となって新しいスタイルを追求した谷のプロセスは評価したい。谷は一度として笑わなかったが、その意味で大きな銅メダルである。ただ、4年後のロンドンにもう一つ違うスタイルがあるかと聞かれればノー。本人は「主婦をしたい」と現地で発言しているが、「リスクを負わずに1本を狙わない柔道」により磨きをかけて、国内選考会を抜けきれるかどうかも不安である。
大会初日で期待の谷亮子が銅メダルとなり、男子60キロでは平岡拓晃も一回戦で敗れた。
頭をよぎったのが、天理大の准教授で、シドニー五輪銀メダリストの篠原信一氏が、筆者の取材に対して大会前に残していた予言である。
「勢いってあるんや。その意味で初日が勝負。ここで平岡、谷が金を取れば勢いに乗るが、ダメなら、とくに男子は全滅、メダルゼロになる可能性だって出てくるんや」
(文責・本郷陽一)
2008年8月10日 07:59|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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