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柳本JAPANは、北京でなぜ敗れたか。 by 岩本勝暁
北京市内の公道は、さながらサーキットの様相を呈している。
見切り発進やスピード超過なんて当たり前。タイヤを軋ませながらコーナーに入り、車と車のわずかな隙間を見つけてはギアをトップに入れて果敢にアタックしていく。車線なんてあってないようなもの。もちろんウィンカーもその用を成していない。ちょっとでも前方の車と間隔が開こうものなら、すぐさま後からクラクションを鳴らされる。歩行者にとっては、青信号を渡るのでさえ命がけだ。
「もう、絶対に助手席には乗らない」
今まで出会った日本人は、たいていそう口にする。
北京名物の交通渋滞が戻ってきた。タクシーでスムーズに会場まで行けたのは、開幕からせいぜい5日まで。今ではその2?3倍の時間を想定しておいた方がいい。以前ならバレーボールの会場がある首都体育館までおよそ20分で行けたのに、この日は50分近くもかかってしまった。
女子バレーボールの日本は準々決勝で敗れ、アテネ五輪と同じ5位で大会を終了した。ブラジルの的を絞ったサーブに、日本の生命線であるサーブレシーブが崩された。木村、栗原のバックアタックも機能せず、スピードを生かしたサイド攻撃もブラジルの巧みなブロックに阻まれた。第3セットの序盤こそリードする展開に持ち込んだが、荒木がサーブに回って栗原がサーブで狙われると攻撃のパターンが減少。0-3で完敗を喫した。
アテネ五輪から4年、確かに個々のレベルは上がった。荒木はネット際でプレッシャーをかけられる存在感のあるセンターに成長したし、フランスリーグを経験したリベロの佐野もボールへの反応やポジション取りに安定感を増した。栗原や木村も、バックアタックという新しい武器を手に入れた。
しかし、サーブで崩されたときや、ブロックの低い位置を狙われたときのオプションは、個々の成長に追いつかなかった。この日の第1セットが象徴的だった。アタックライン付近にぽとりと落とすサーブに木村が苦しみ、8連続失点を喫した。タイムアウト明けにサーブレシーブのフォーメーションを変更しても、根本的な解決にはならない。崩れたときのバリーションがなければ、木村と交代できる選手もいない。守備を固めることはできても、バックアタックなどの攻撃に絡めないからだ。完全にペースを失った日本は16?25と大差でこのセットを落とした。
サーブが弱い格下が相手なら圧倒的な強さを発揮するが、ブラジルやアメリカなど相手の急所を狙ってくるチームには歯が立たない。木村がサーブで崩されたとき、竹下が前衛に回ったとき、ブラジルは巧みに日本の失点パターンを突いてきた。
柳本監督の就任から5年半。常々公言していた「北京でメダル」の目標は、ついに果たすことができなかった。新たな局面を迎える次期全日本は、ここからどう浮上していくのだろうか。
2008年8月21日 02:44|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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