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ダフ屋との暗闘 by 本郷陽一

20080820(006).jpg 20080820(012).jpg遅ればせながら北京に参上した。本日の論は、できるだけブログ的要素を外したレポートを心がけているのだが、北京編は、多少の私的文章になることをご勘弁願いたい。予定していた北京五輪増刊号が、見送りとなったのだが、飛行機でわずか4時間。近隣、アジアで行われる北京五輪を、その目で見ておきたかったのが本音である。
 宿泊ホテルは、北京の銀座といわれる王府井にあるビジネスホテル。
日本からネットで取っていったのだが、一泊680元(約1万円強)もする。頼みもしていないボーイが部屋まで荷物をもってきてチップを催促する。ポケットからどさっと両替したての札が出てくると「100元(1700円)を!」
「あほか、ふざけるな」
「50元を!」
「帰れ、帰れ」
「では20元を!」
 最後には、5元を渡して決着を見たのだが、今度はインターネットの接続を頼むと、また部屋にはいってこようとする。
「自分でやるから、帰ってくれ」と、部屋の前で、そのボーイ君を押し返すまでに、ずいぶんと時間がかかった。
 さて、気を取り直して星野JAPANである。
 地下鉄の駅まで15分ほど散歩がてら歩く。地下鉄の階段、エスカレーターを使い、かなり深くまで下ると、そこで持ち物チェック。かばんをエックス線の機械に通す。小生は、ミネラルウォーターを飲んでいたのだが、チェック係の女性が、それを指さしながら、何か吼えている。

どうも、飲んでみせろと言っているようなので、ゴクンと目の前で飲むと納得である。
 運賃は同じ路線ならば一律で2元(34円)。チケットは自動販売機で購入するのだが、札がうまく機械に吸い込まれずにすごい列ができている。けれど、当然、中国の人たちは、その列を守らないから、割り込みに次ぐ、割り込みで、とんでもない人だかりになっている。

 根気強く、人だかりが消えるのを待ってチケットを購入した。

路線を最初にタッチ、次に降りる駅名をタッチ、そこでやっとお金をいれ、確定という場所をタッチすると、「スイカ(関西はイコカ)」を紙製にしたようなチケットが出てくる。それで自動改札をタッチすると無事入場。あとは日本の地下鉄とほぼ同じ要領だ。

 午後4時の時間帯だったが、驚くほど混んでいた。90パーセントほどの乗車率か。

しかも、駅に着くと、降りる人を待たずに人がどんどん乗ってくる。

降りる方も負けまいと乱暴に人を振り払いながら降りたりして何か険悪なムードが漂っている。

目的地の球場がある五裸松まで30分は乗車しただろうか。とても息苦しかった。
 Bの出口を目指すと、もう球場がある公園内だ。
 星野JAPAN取材といっても取材許可証はない。
 しかも、チケットもない。当日券売り場などどこにもない。
ダフ屋からの闇取引が目当てである。

不思議なことにダフ屋の風貌や目つき、歩き方は、全世界共通だった。ややガニ股で、お兄さんどこにいったら、そんな服打っているの?と聞きたくなるような黒を基調とした、その筋っぽいファッション。
「チケット?」と英語で一言聞いたら、小生は、4、5人のダフ屋に囲まれた。
中国語ができないとわかると、さっと携帯電話を出してきて、番号を打ってみせる。
「1000(約1万7000円)」
定価100元(1700円)のシロモノがである。
「あほか!」と思い、携帯の数字を打ち直す。
「200」
ダフ屋は、さっと周囲を去り、残ったのは、狐のような顔をした痩せた男。
おもむろにタバコを出してきて「吸うか?」とくる。
そこからは交渉合戦である。
「800」
「600」
「500」
「400」
「300」
最後は300元まで落ちたので成立となったのだが、ハッピーエンドとはならなかった。

会場へは、厳重な身体検査をした上で2つのゲートをくぐるのだが、その2つ目のゲートを抜ける際にストップをかけられた。
小生のチケットは、日本ーアメリカ戦ではなく、第2球場で行われる台湾―カナダ戦のチケットだったのである。
「騙された...」
チケットには、対戦国名は書かれていない
何度も日本対アメリカであることをダフ屋に確かめたが、試合開始時間を正確に確認しなかった僕のミスだ。チケットをもって、ゲートを逆走。あの狐のようなダフ屋を探したが、もうみつからない。
途方にくれていると、流暢な日本語で旅行者風の若者が、突然、声をかけてきた。
「日本戦ありますよ?」
「いくら?」
「700」
「600いや、550」と日本語で交渉した末、500元で交渉成立となった。けれど、計800元(約1万3000円)のチケットである。非合法に手入れたチケットを握りしめ、星野JAPAN対アメリカの観客席を駆け上がったのである。

2008年8月21日 03:24|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

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