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3連敗の夜に岡田監督が飲んだ苦いビール。
阪神の岡田監督は大物である。
対巨人3連敗の夜、実は、ある企画の打ち合わせを岡田監督とビールでも飲みながらする約束になっていた。けれど、東京ドームに乗り込んでの3連戦は、最悪の3連敗。最大13ゲーム差があったのに、ついに76勝53敗で首位に並ばれてしまったのある。
通常、こういう日は、約束ごとはキャンセルされる。選手の場合は、特にそう。「取材を受ける状態にない」とか「話することはない」と、ドラキャンをくらった例は、過去に何度か。けれど、岡田監督は「おまえなあ、最悪にタイミングでセッティングするよなあ」と毒舌を吐きながらも、約束の時間に、約束の場所に現れたのである。
――振り出しや、もう巨人との一騎打ちになると試合後にコメントされたそうですね。
「そりゃそうやろ。チームの状態は、近くにいる俺が一番知ってんねんから。今どんな状態にあって、どんな結果が待ち受けているかは、俺が一番わかるやんか。だから準備するわけやん。そうやろ? 勝負のアヤがどっちに転ぶかわからんゲームは必ず1試合は3つのうちで来るから、勝負しようと考えていたんやどなあ。それにしても、ドームは、ボールがよう飛ぶわなあ」
岡田監督は、ビールをぐっと一気に飲み干すと、考え尽くされた指揮の裏側を、ほんの少し教えてくれた。たとえば、3つ目、最終回の攻撃の場面。岡田監督は、左の藤田を引っ込めて、桧山対左投手の場面をなくすために、先に高橋を代打に送った。案の定、巨人は越智に投手を代えた。これで桧山の出番ができる。劣勢だが代打の切り札の打席は、球場の雰囲気を変えるし、チームの雰囲気に刺激を与える。結果は、高橋、桧山、矢野は連続三振に倒れたが、よく言われる次につながる形は、作っておいたわけだ。
岡田監督は「俺はマイナス思考や」という。だから「先の先の最悪を考えて準備するんや」という。
「野球は変わってきている。個人主義であったり、金で買われる野球があったり...。だからな」
その先は、言わずともわかる。タイトルホルダーを札束でひっぱたいてチーム力を整えたチームが、リーグ優勝を果たしてしまえば、一体野球界のこの先はどうなるのか。ファンが喜ぶ面白い野球とは、一体何なのか。首位に並ばれた夜に、何くわぬ顔でビールを飲んだ岡田監督のメッセージを、汲み取らねばならないのは誰だ! (文責・本郷陽一)
2008年9月22日 18:46|記事URL|コメント(1)|トラックバック(0)
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