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藤川球児、ロスアンゼルスの覚悟         by本郷陽一

「論スポ取材」のため10年ぶりにロスに来た。雲ひとつない快晴。昼間に気温は28度まで上がる。野球をやる環境としてはこれ以上ない。

取材ターゲットである阪神タイガースの藤川球児は「人も少ないし集中してできていますね。もうキャンプですよ」と、WBCを見据えたアップテンポな調整が順調に進んでいることを明らかにした。彼が練習場所としているロス郊外の野球施設は、MLBを目指すユース世代を対象にMLBが場所を提供している場所で藤川だけでなく、ヤクルトの木田優夫、佐藤賢をはじめ、日本人の選手がゾロゾロ汗を流していて驚いた。その中には珍しい顔、元メジャーリーガーの伊良部秀輝さんもいて、少し話をした。

「日本で球団をリリースされた選手がもう一度、挑戦したいというので、手伝っているんです」

 阪神時代から卓越した理論の指導ぶりに定評があった伊良部の光景をしばらく見ていたが、すごくわかりやすく実践的なアドバイスを送っていた。彼は昨年、飲食店でトラブルを起こして話題になったが、コーチとして採用すれば非常に面白いと思う。

 さて、藤川球児である。

 斉藤隆の辞退で、WBCの日本チームにストッパーとして起用されることになる。昨年はフロリダで行った自主トレをロスに変えた理由の一つには、準決勝、決勝が、この地、ドジャースタジアムで行われることも入っている。ロスでは、昨年末から、WBCで使用するメジャー球をずっと使っていて、「本来のボールがどうだったかを忘れたほど」、違和感もないという。ランニング、アメフトを使って肩の稼動域を柔軟にするキャッチボール、遠投、そしてダッシュ。16日の練習メニューは、軽いものだったが、すでに身体が出来上がりつつあるなという印象を得た。

だが、そのWBCには「もし出なくていいものならば出たくなかった」と言うのだ。

「でも必要とされるなら出るし、納得のいく準備もする。その責任が僕にはあるんです」

 国際大会は、それほど過酷なプレッシャーを選手に与えてしまうのか。

「結局、結果が出ないと、技術うんぬんをいつも言われるけれど、準備をすれば、その後、打たれるも打たれないも、最後は運だと思っているんですよね」

 彼が運命論者に行き着いた過程には何があるのか?

彼が、WBCに出たくないとまで思わせる国際試合、WBCとは何なのか?

堂々と自分の意見を言葉にできるアスリートは、そう多くない。その中で藤川は、しっかりと自分の考えを構築し、言葉にできる人である。外野の芝生に座って行われたミニ会見を聞きながら、ずいぶんと成長したものだと思ったけれど、そのあたりを2月発売号の論スポに掲載できればと考えている。

2009年1月18日 02:19|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

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