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浦和レッズ・原口元気 17歳の自己主張   by 藤江直人

 揺るぎない自信がそこまで言わせるのだろう。浦和レッズでレギュラーの座を勝ち取った17歳の新星、MF原口元気が居並ぶテレビカメラを前に堂々と宣言した。
「若いから、という理由で注目されるのはイヤなんです。平等な目で見て評価されるとすごく嬉しいですね」
 20日から静岡県内で始まったU‐20日本代表候補合宿。ユース世代の総監督を兼ねることになったフル代表の岡田武史監督自らがセレクトした24人が7対7、4対4といったミニゲームで約2時間汗を流し、初日のメニューを終えた。
 青空の下に即席で設けられた"ミックスゾーン"での取材に呼ばれた選手は注目の2人。ガンバ大阪ユースの「最高傑作」と期待される16歳のFW宇佐美貴史と原口で、そこで後者の口から飛び出したのが冒頭の言葉だった。
 日本人が非常に好む「若い」あるいは「新星」というアドバンテージを自ら捨て去り、年齢の違いを含めたすべての条件をイーブンにした状態で見てほしい。原口の心情をもう少し紐解くとこうなるのだろうか。それでも注目されるに値するプレーで評価を勝ち取ってみせる、と。
 タレント豊富なレッズでクラブ史上最年少でトップに登録されたのが今年1月。フォルカー・フィンケ新監督もすぐに原口の才能に魅せられた。開幕戦で左MFとしてスタメンに抜擢され、FWとして起用される時は元日本代表の高原直泰がベンチに追いやられる。そして、4月12日の名古屋グランパス戦ではJ1初ゴールでチームを勝利に導いた。今合宿に招集されたメンバーでは群を抜く実績を残している自信が、さらなる進化を促すのか。
 合宿を視察に訪れたレッズの信藤健仁チームディレクターも思わず目を細める。
「うん、そうだね。本当に成長しているよ」
 一瞬でタテに抜けるスピードと巧みなボールテクニックを兼ね備え、「期待の怪物くん」なるニックネームを頂戴している原口は初日の感想をこう続けた。
「運動量が求められましたね。考えながら走るメニューなのかな、と思いながらやりました。とにかくボールにいっぱい絡んで、そこでチャンスメークをしたり、決定的な仕事をしたい。岡田監督がフル代表の監督ということは意識するし、もちろんアピールする気持ちはあります。成長の跡を見せれば(フル代表に)入れるというか、そういう選手が出てくるのを(岡田監督は)願っているんですかねぇ」


 午後3時からの練習開始前。集まった選手たちを前に岡田監督はこう告げている。
「努力や謙虚さというのも大切だけど、夢や目標のスタンダードを上げていってほしい」
 日本は今年9月にエジプトで開催されるU‐20W杯の出場権を逃している。この世代の代表の次なる目標は2012年ロンドン大会から年齢制限がこれまでの「23歳以下」から「21歳以下」に変更されることが濃厚となっている五輪と、そしてW杯だけとなる。
 岡田監督も今合宿を「ロンドンへの最初の一歩」と位置づけた上でこう注文をつけた。
「フル代表に呼ぶために招集したわけじゃないけど、サッカーの場合、それ(若手の大抜擢)が起こりうる可能性はある。世界を見れば、この世代の選手はすでに(代表で)活躍している。そういうことをもっと強く意識して、モチベーションを上げていってほしいね」
 ならば、原口にとってフル代表とはどんな存在なのか。
 3月28日に行われたバーレーン代表とのW杯アジア最終予選は、もちろんテレビに釘付けになって観戦したという。
「前線の選手全員に注目してます。その中でも俊輔さんがダントツで一番上手い。ボールタッチもそうだし、視野も広い。ホントに上手い」
 まだ憧れの域を抜け出してはいないかもしれないが、それでも少しずつ、レッズや下の世代の代表で確固たる結果を残すごとに想像の世界は現実のそれに近づいてくる。
「俊輔さんのパス、受けられるものなら受けてみたい。あのパスはホントに受けやすいと思う」
 メディアとの受け答えはまだぎこちなく、初々しさも感じさせる高校3年生だが、ピッチの上では才能のオーラをいかんなく発揮する魅惑の存在に豹変する。「この世代は爆発的に成長することがあるからね」とは岡田監督の弁だが、果たして今回の岡田イズムとの初めての「遭遇」が触媒のひとつになりえるのか。
 合宿は今日21日の流通経済大との練習試合を経て22日まで行われる。
                                 (文=藤江直人/写真=スエイシナオヨシ)

2009年4月21日 04:03|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

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