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日本代表復帰/石川直宏が活躍する可能性 by 藤江直人


 10月の国際Aマッチ3連戦に臨むサッカーの日本代表が1日、発表された。28人が招集された中で注目したいのはFC東京の石川直宏だ。
 昨シーズンまでの年間最多ゴールが「5」だった男が今シーズンはすでに「13」を量産。J1得点ランキングで単独2位につける28歳にとっては、04年2月のイラク戦でベンチ入りして以来、実に5年8か月ぶりとなるA代表復帰。完治までに約8か月を要した05年の右ひざの大けが、それに伴うプレースタイルの改革を乗り越えてゴールへの嗅覚を覚醒させた男は、来年に迫った南アフリカW杯を見すえた上で「いま、この時しかない」と胸中で代表復帰を待ち焦がれてきた。
 だからといって、吉報にただ相好を崩しているわけではない。
「選ばれるからには、どれだけ活躍できるかというところに重きを置きたい」
 唯一のA代表キャップを獲得したのが、03年12月に埼玉スタジアムで行われた香港との東アジア選手権。残り11分でピッチに投入された石川だが、当時のウリは右サイドでのスピード。典型的なウインガーで、シュートよりもドリブル、センタリング、パスに重きを置いていた。
 しかも、緊張感も手伝ってか、ピッチに入ってからの自分をイメージすることができなかったという。もちろん、中盤のオールラウンダーに成長を遂げ、仕事場も右サイドライン際だけでなくゴール前中央にまで広げたいまは違う。
 一人のファンとして最近の日本代表の試合を見てきた石川は、こんな思いを抱かずにはいられなかったという。
「日本代表が勝つことを考えたとき、途中から試合に入って流れを変えられる特徴をもっている選手が、いまの代表にはそんなに多くないと思うんです。ボールを出せる選手は多くいてもボールを引き出せる選手はそんなに多くないかな、と」
 そこに自身が入ればどう変わるのか。石川の脳裏に描かれているイメージは鮮明だ。
「すごく面白いとは思うんですよ。引き出しをもっと増やせると思いますから」
 若さと勢いを武器にA代表に駆け上がったのが03年12月の香港戦だとすれば、いまは自分のプレースタイルに対する揺るぎない自信がある。
 だからといって、個人で状況を打開するには限界がある。それが国際Aマッチの舞台となるとなおさらだ。今シーズンのゴール量産について、石川はFW平山相太の存在が大きいと語っている。
「相太はよくポストプレーに入ってボールをキープしてくれて、その空いたスペースに僕とか羽生さんが入っていく、という連動があるんです」
 平山がレギュラーに定着したのが5月中旬。それと時をほぼ同じくして石川のゴールラッシュに加速がかかった。要は他の攻撃陣、特にFWとの組み合わせ次第。アウトサイドはともかく、ゴール中央で石川が侵入していけるスペースをいかに連動して作れるか。FC東京で魅せた決定力を発揮できるか否かはその点にかかってくるだろう。
 今回招集されたFW陣では、ポストプレーをこなせそうなタイプはオールラウンダーの前田遼一とあとは森本貴幸か。矢野貴章は今回もメンバーから外れた。玉田圭司はサイドに流れるプレーを好むし、岡崎慎司と佐藤寿人はゴール前で泥臭く勝負するタイプ。大久保嘉人も然り、だ。
「どうしてもゴールがほしい時にアウトサイドで勝負ができて、ゴールにも絡んでいける選手をずっと探していた。チャレンジしてほしい」
 石川の招集理由についてこう語った岡田武史監督がどんな組み合わせを考えるか。国際Aマッチ3連戦の初戦となる8日の香港とのアジアカップ予選(アウスタ)は「準備期間も短いので気心の知れたメンバーで戦う」という方針を固めている指揮官だけに、石川にとっての代表再デビュー戦は10日のスコットランドとの親善試合(日産スタジアム)が有力だ。
「これまでのサッカー人生を考えたら、いまが一番自信をもってプレーできている」
 気負わず、力まず。石川は自然体で「その時」を待ちながら自身の「引き出し」を整理している。5年10か月の歳月を超えてのA代表戦復帰は、近年ではまず例を見ない快挙となる。

2009年10月 1日 23:32|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

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