野々村発言の何が悪いのか
島根の開星高校野球部監督である野々村さんの発言が物議をかもし出している。21世紀枠の向陽高に1対2で敗れ「末代までの恥」「切腹したい」などの発言を残したものだ。高野連には100通を超える抗議メールが入り、野々村監督は、23日、大会本部に経緯を説明して謝罪会見を行った。
問題になったのは、相手チームへの礼を失した行為である。だが、こういう発言をされた相手のチームの選手はどう思うだろう。おそらく「ざまあみろ」である。下馬評を覆して結果を出した。その相手の指揮官が思わず本音を口にしたのだ。馬鹿にされたとは思わない。不可能を可能にしたものだけで得ることができる陶酔に浸っているだろう。
そう考えると、この発言の何が悪いのだ。
チームにプライドを持ち、それだけの訓練をしてきたチームが、負けてはならないはずのチームに敗れた。「末代までの恥。負けたことが恥ずかしい」と指揮官としての究極の自己批判をしただけではないか。勝負師としての偽らざる本音を漏らしただけではないか。それは、凄まじいほどの勝負魂と、プライドの裏返しではないか。
勝負ごとは決して勝つことがすべてではない。しかし、勝つことに全霊を傾け、訓練してきたチームが「一丸」となる作業は尊い。その尊い作業が、高校野球の美しさだと思う。スポーツマンシップには欠けた言動であることは否定できない。高校野球の監督はプロではなく、教育者である。そういう部分でも教育者の発言としては問題はあるのだろう。だが、勝負の世界で出た発言なのだから、何も、ここまで袋叩きにあわなくてもよかろう。まるで言葉狩りのようなことをして涙の謝罪をさせる社会はいかがなものか。私は、それが決して健全な社会には思えない。ある種の怖さを感じるのである。
2010年3月24日 15:46|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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