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岡田ジャパン/セルビア代表戦の3つのチェックポイント by 藤江直人
サッカーの日本代表が7日、大阪・長居スタジアムでセルビア代表と対戦する。5月中旬に予定されるW杯メンバー23人の発表前では最後となる国際Aマッチ。MF本田圭祐(CSKAモスクワ)、MF長谷部誠(ボルフスブルク)、MF松井大輔(グルノーブル)、FW森本貴幸(カターニア)らのヨーロッパ組が不在の中で、試合のチェックポイントを3点に絞ってみた。
【1】W杯本番でも予想される4‐2‐3‐1布陣
試合前日の6日午前に堺市立ナショナルトレーニングセンターで行われた10分ハーフの紅白戦で、レギュラー組と思われるチームは前・後半ともに4‐2‐3‐1の布陣をとった。
岡田監督が初めてこの布陣を採用したのは08年5月のコートジボワール戦だった。
今回も矢野貴章(アルビレックス新潟)や玉田圭司(名古屋グランパス)らのFW陣が控えるにもかかわらずにワントップで臨むことは、6月のW杯本大会も2年間をかけて熟成させてきたこのフォーメーションで戦うプランを岡田武史監督が固めたことがうかがえる。
セルビア戦の先発メンバーはGK楢崎正剛(名古屋グランパス)、サイドバックが右に徳永悠平、左に長友祐都(ともにFC東京)、センターバックが栗原勇蔵と中澤佑二(ともに横浜F・マリノス)、ダブルボランチに阿部勇樹(浦和レッズ)と稲本潤一(川崎フロンターレ)、右MFに興梠慎三(鹿島アントラーズ)、左MFに中村俊輔(横浜F・マリノス)、トップ下に遠藤保仁(ガンバ大阪)、ワントップに岡崎慎司(清水エスパルス)の11人が予想される。
最も大きな変化を挙げるとしたら、岡田ジャパンでは不動のボランチだった遠藤のトップ下抜擢か。しかし、岡田監督は「窮余の起用」であることを明言している。
「今回は中盤の選手がいないので。(トップ下の)テストではない」
一方でJ1、ACL、そして代表との過密日程で遠藤の体調が万全ではない点も考慮。「決してベストではないが、それほど悪くもない。時間的な制限があれば尾を引くことはない」と話していることからも、早い時間帯でMF山瀬功治(横浜F・マリノス)と交代する形になりそうだ。
直近の国際Aマッチである3月3日のバーレーン戦では本田がトップ下を務め、終了間際にはダイビングヘッドでダメ押しの2点目を突き刺している。
ワントップの岡崎と絡んでゴールに結びつくプレーを求められるポジションだけに、遠藤も「ペナルティーエリア内に入る回数や攻撃に絡む回数を増やしたい」と積極的なプレーを披露するつもりだ。
「ボランチにしてもトップ下にしても、走らないと務まりませんから」と限られた時間内で貪欲にゴールを狙っていく。
【2】残り30パーセントをにらんだ戦い
3月29日のセルビア戦の代表メンバー発表の席で、岡田監督は「メンバーはだいたい70パーセントは決まっている」とW杯本大会のメンバー23人のうち、チームの「幹」となる16人前後は決まっていることを明言している。
となると、残りは7人前後。指揮官は戦況に応じたスペシャリストを求めたいとも明言したが、その筆頭候補がセルビア戦でも先発が予想されるDF栗原だ。
身体能力の高さは折り紙付き。かつてはマリノス監督として栗原を指導した岡田監督も「ワールドクラス」と評価した上で、平時におけるアラート、つまり危機察知能力を駆使してのポジショニングに難があることを課題に挙げている。つまりは集中力の問題だ。
「攻めに関しては2次的なものなので、ストッパーとしての安定した守備と、ポジショニングを含めたタマ際の強さを、マリノスより高いレベルで発揮してほしい」
中澤、田中マルクス闘莉王に続く第3のセンターバックが長く不在だった中で、闘莉王の出場停止で巡ってきた千載一遇のチャンス。マリノスでコンビを組む中澤がそのまま隣にいるのも心強い。3日のJリーグで打撲した右ひざも、現時点では問題ない。
26歳にして開けたW杯へ、栗原は「今までは執着心というものがなかったから、日の丸を背負って戦いたいと思ってもチャンスが巡ってこなかった」とセルビア戦で対人の無類なき強さを証明しようと並々ならぬ意欲をみせている。
岡田監督はW杯本番では日本が劣勢の時間帯が圧倒的に多いと覚悟し、1点を奪いに行く場面でサイドに起点を作れる選手を求めるという。
その候補がセルビア戦で左MFとして先発する興梠であり、中村と代わって右サイドに入ることが予想される石川直宏(FC東京)となる。特に興梠はFWを務めるアントラーズとは違った役割を求められる。
「興梠に関しては左右のワイドで一度使っておきたいと思っていた。彼のスピードをサイドで生かすことができれば」
そして、FW。いわゆるスーパーサブ。セルビア戦の終盤ではおそらく唯一の大学生、永井謙佑(福岡大)が投入されるはずだ。
JFA・Jリーグ特別指定選手制度でヴィッセル神戸でもプレーしている期待の快足FW。現時点ではJ1の厚い壁に跳ね返されているが、岡田監督はラスト10分でそのスピードが相手の脅威になれば面白い、と考えている。
「シンプルに裏に抜け出してシュートを打つのが一番ベスト。できる限りチャレンジしたい」
【3】長身FW対策
国際Aマッチデー以外の開催とあって、日本代表はもちろん、セルビア代表も海外でプレーする選手を招集していない。国内リーグでプレーする選手から選ばれた19人の中で、W杯欧州予選に出場したのはわずか3人。いわゆる二線級の陣容だが、その3人の中には名門レッドスター・ベオグラードに所属するFWデヤン・レキッチが含まれている。
1メートル93、84キロのサイズは、W杯グループリーグで対戦するデンマーク代表のエース、二クラス・ベントナー(アーセナル)とほぼ同じ。このレキッチに手こずるようでは、デンマーク戦での苦戦も免れない。岡田監督もこの点に注目している。
「面白いといったら変ですけど、どう対処するか。相手が攻めてくるシチュエーションになれば、背が高い相手に対する守備の面でいいシュミレーションになる」
キャプテンのDF中澤も、セルビアの「高さ」を歓迎している。
「相手の身長に惑わされずに、自分の一番いい打点でジャンプできれば。(W杯で対戦する相手とは)レベルは違うかもしれないけど、高さのところで免疫を作るという意味でも。あまりそこで圧迫感を感じることなく、自分のジャンプができれば。こういう相手とできるチャンスも限られていますから」
1メートル84の栗原、右サイドバックに入る1メートル80の徳永、ボランチの1メートル81の稲本と日本の中では大型な選手がそろった。だからこそ、未知の高さとの「遭遇」はまたとない経験となる。中澤はこうも付け加えた。
「とにかく、体を寄せるなり何なりして、空中で自由にさせないことが大事ですよね」
陣容は変わっても4‐2‐3‐1の布陣がうまく機能するか。左の俊輔はともかく、右の興梠や途中出場が予想される石川がワイドなポジションで起点となることができるか。残り30パーセントの激しい南ア行きのチケット争奪戦に割って入ってくるのは誰か。そして、セルビア代表の高さに臆することなく対峙することができるか。
「日ごろなかなかチャンスを与えられていない選手にチャンスを与えられる、いい機会だと思っている。選手には明日の試合に勝つことにベストを尽くしてもらいたい。その中で、いくつかのテストができればと思っている」
久々にチケットが前売りだけで完売となった一戦。岡田監督は「試合に勝つことと選手選考(の方向が)が違うということはない」とあくまで勝利とチームの底上げの二兎を追うつもりだ。
2010年4月 7日 00:38|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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