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松井大輔と大久保嘉人に求められる重大ミッション  by 藤江直人

松井大輔と大久保嘉人に求められる重大ミッション  by  藤江直人

 運命のキックオフまであと3時間を切った。デンマークとの一騎打ちをシミュレートしてみると、最も警戒するのはやはり相手のロングボール攻撃となる。
 発売中の『論スポ』でDF今野泰幸にインタビューしたが、ロングボールを多用された時の守備陣の心境についてこう語っている。
「上手く説明できないんですけど、やはり嫌ですね。特に最終ラインの背後に高いボールを上げられて、相手のFWにガツガツとプレッシャーをかけられると対処が難しい」


 W杯開幕を直前に控えた日本は守備的な戦法に舵を切り、しっかりとブロックを作って相手の攻撃をしっかりとはね返している。必然的に相手のボールポゼッションが上回るが、対デンマークにおいては、守備的な戦いにおける「デメリット」もある、と今野は警鐘を鳴らしていた。
「デンマークのFWベントナーはすごく大きいし、相手にボールを持たせてと言っても、センターラインから入ったあたりで正確なロングボールを上げられたりしたら、それだけでピンチになる。だから、前からプレッシャー、プレッシャーでいかないと」


 たとえ相手ボールを一発で奪えなくてもいい。素早いアプローチから相手に体を寄せ、ルックアップをさせず、ボールを後方に下げさせることができればOK。ロングボールを蹴られるにしても、少しでも精度を落とすために、満足な体勢でキックさせない。
 1メートル94の二クラス・ベントナーだけでなく、状況次第では同じく1メートル94のFWセーレン・ラルセンも投入されてくるだろう。日本が苦手とする空中戦勝負に持ち込ませないためにも、ロングボールのでどころをケアすることがまず重要となってくる。
 

 守備的な戦法に転じて以降、右の松井大輔、左の大久保嘉人の両MFには攻守両面での負担が一気に増した。守備ではプレスの一の矢として、攻撃ではカウンターの仕掛け役として。カメルーン戦、オランダ戦と2人そろって後半途中でベンチに退いていることを見ても、いかに激しく体力を消耗させているかが分かる。
 それでも、松井と大久保にはさらに踏ん張ってもらうしかない。2人がロングボールのでどころをいかに激しくチェックできるか否かが、決勝トーナメント進出への大きなカギを握る。


 同じく『論スポ』ではギド・ブッフバルト氏に日本がとるべき戦い方を聞いたが、デンマーク守備陣に対する攻略法をこう説いている。
「アウトサイドの選手がデンマークのゴールに向かって斜めに入っていくような、サイドバックとセンターバックの間を狙うような動きを見せればデンマークの守備陣は混乱をきたし、思わぬ綻びを見せるかもしれない。彼らの守備陣には規律があるが、その分、選手個々がそれぞれの持ち場に固執する傾向が強いからだ」


 つまり、ここでも松井と大久保の存在がクローズアップされるわけだ。日本戦ではセンターバックの一角ケアーが出場停止となるだけに、コンビネーションの不安な点を突く手もある。
 オランダとの激闘から中4日。その間に完全休養日も取り入れたことで、体力がどこまで戻っているか。とにかく、いまや日本のキーマンとなった松井と大久保には精根尽き果てるまでピッチを駆けてもらう。ロングボールを上げられても、空中で競る中澤佑二や田中マルクス闘莉王を必ず周囲がフォローする。阿部勇樹や長谷部誠を中心にセカンドボールを拾いまくる。右サイドの仕掛け人ロンメダールは対面の長友佑都が徹底的にケアする。
 相手のリズムを狂わせた先にチャンスが見えてくる。


 後半途中になってリードもしくはイーブンの状況となっているならば、今野や稲本潤一、松井と大久保の代役としての矢野貴章や岡崎慎司が守備力アップのために指名されるだろう。
 ゴールを奪いに行く状況になれば玉田圭司がブッフバルト氏の言う「スピードのあるサイドアタッカー」としてスタンバイしているはずだし、今大会でまだ一度も出番のない森本貴幸も秘密兵器となる。正確なタテパスとミドルシュートを兼ね備えた中村憲剛も控えている。
 まさにベンチも一丸となる総力戦。新たな歴史が刻まれる瞬間を見てみたい。

2010年6月25日 00:39|記事URLコメント(0)トラックバック(0)

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