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韓国の悔し涙に学べ!日本代表に求められる我慢比べ by 藤江直人

■W杯南アフリカ大会・決勝トーナメント1回戦
ウルグアイ代表 2‐1(前半1‐0) 韓国代表
[6月26日午後11時(日本時間)キックオフ@ネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアム]
韓国が流した悔し涙が、日本にとってのヒントになるのではないか。
1次リーグA組を1位、それも無失点で突破してきたウルグアイの城壁を執念でこじ開けた、後半23分のMFイ・チョンヨンの同点ゴールは評価できる。
しかし、前半8分にFWスアレスに決められた一発はあまりにお粗末だった。堅守速攻をベースとする狡猾な南米の古豪に、ミスと言っても過言ではない展開から先制点を献上すれば、その後の戦いが苦しくなるのは当然だ。
味方からの意図のわかりづらいパスを追いかけ、FWフォルランがペナルティーエリアの左側に流れた時点では、実はゴールのにおいすら伝わってこなかった。
しかし、マーカーをかわしたフォルランがグラウンダーのクロスを入れると、なぜか韓国守備陣が棒立ち状態になってしまう。
GKの反応が遅れ、センターバックが完全にボールウォッチャーになっている状況では、ファーサイドにフリーで詰めてきたスアレスに気がつくはずがなかった。
よく言われることだが、ブラジルとアルゼンチンのン二大巨頭に対抗するために、南米連盟に加盟する他の8か国の大半はまず守備力を磨き上げてきた。
W杯で2度の優勝を誇るウルグアイも例外ではない。タマ際でファウルを厭わない激しいタックルを仕掛けてきたかと思えば、審判の目をも欺くようなずる賢さで出し抜こうとする。相手をイライラさせる挑発行為も常とう手段。時間の稼ぎ方も巧妙だ。つまり、どんな形であれリードを奪った時点で、相手を術中にはめてしまうわけだ。
実際、韓国も前半の途中からMFパク・チソンを中心に攻勢に転じたが、案の定、ウルグアイのゴールを割れない。ボールポゼッションでは55パーセント対45パーセントで圧倒的に韓国の方が上回っていたが、これもウルグアイに持たされていたと表現した方がいい。
焦った韓国が少しでもミスを犯せば、フォルランとスアレスを中心に少数精鋭の攻撃陣が危険極まりないカウンターを仕掛けてくる。韓国にしてみれば、同点に追いつくために予想以上の労力を割かざるを得なかったことが、最後の最後で響いてしまった。
W杯や南米選手権における歴史でウルグアイの後塵を拝してきたパラグアイは、さらに堅守速攻に傾倒していると言っていいだろう。つまり、パラグアイに先手を取られる試合展開だけは避けなければいけない。ウルグアイ戦の前半8分に韓国守備陣が見せたように、一瞬でも集中力を途切れさせれば抜け目なくそのスキを突いてくるだろう。
ゴールが奪えない展開になっても焦りは禁物。お互いにナイフをちらつかせ合いながら、極限の忍耐力と集中力が求められる90分、あるいは延長戦を含めた120分になる。
となると、あとはどちらのナイフの切れ味、つまり攻撃力が鋭いかにかかってくる。
マンチェスター・シティー所属のサンタクルス、ベンフィカのカルドーソ、そしてボルシア・ドルトムントでもチームメートのバルデスとバリオス。パラグアイのFW陣はいずれもヨーロッパでもまれて経験を積んでいるだけに、日本の守備陣には虚々実々の駆け引きも求められる。
日本にとっての追い風はMFのV・カセレスが出場停止となることか。ロングフィードを得意とする司令塔を欠くパラグアイがどのような中盤の構成で臨んでくるのかもキーポイントになる。
対する日本のナイフも一戦ごとに鋭くなってきた。
ワントップの本田圭佑、松井大輔と大久保嘉人の両MFのコンビネーションは、カメルーン戦よりオランダ戦、そしてデンマーク戦と確実にアップ。前線の3人に遠藤保仁や長谷部誠の両ボランチ、駒野友一と長友佑都の両サイドバックも絡んでくるようになった。
さらに、ナイフだけでなく「伝家の宝刀」もしのばせていることもデンマーク戦で披露した。本田と遠藤というフリーキッカーを左右対で擁していることのメリットは大きい。
デンマーク戦を取り上げた「本日の論!」でも言及したが、一撃必殺の飛び道具があれば相手はむやみに射程距離内でファウルを犯せなくなる。コーナーキックも与えたくないというプレッシャーが生じてくるし、激しい守備を身上とするパラグアイが少しでも躊躇すれば、それだけ日本が突け込むスキとスペースが生じる。
とにかく、どちらが集中力を高く保ち、リスクマネジメントを徹底しながら攻撃を仕掛け、千載一遇のチャンスで確実にゴールネットを揺らすことができるか。
日本、パラグアイともにW杯における最高位はベスト16。新たな歴史の扉に手をかけた国同士の激突において、日本の45位に対してパラグアイの31位というFIFAランクも、これまでの対戦成績で日本が1勝3分け2敗と分が悪いことも、もはや関係ない。
第三国から見れば再び「退屈」と酷評されかねない我慢比べになっても、絶対に動じない泥臭い覚悟が求められる大一番。日本にとっては堅守速攻の前に0対3と惨敗を喫した、4月のセルビア戦で支払った高価な授業料をどれだけ生かせているかも問われる一戦になる。
2010年6月27日 23:45|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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