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開幕2連勝。順調スタートの斎藤佑樹が迎える正念場 by 藤江直人

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12球団のルーキーでただ一人の開幕2連勝。順調なスタートを切ったように見える北海道日本ハムファイターズのルーキー斎藤佑樹が、実は正念場を迎えようとしている。
本拠地の札幌ドームで5月1日に行われる埼玉西武ライオンズ戦で3度目の先発を果たす斎藤は、順当ならば中6日のローテーションで8日の福岡ソフトバンクホークス戦(札幌ドーム)、15日のオリックス・バファローズ戦(函館)で投げることになるだろう。
いずれもオープン戦や練習試合を通じて初めて顔を合わせる相手であり、相手が斎藤を知らないという点では恵まれているかもしれない。問題はその後のスケジュールだ。
5月17日からはセ・リーグとの交流戦がスタートする。2連戦を基本とする変則的なスケジュールが約1か月あまり続くこの期間は、各チームとも原則的に先発投手を4人で回す。
現時点の日本ハムの先発投手はダルビッシュ有と武田勝の左右のエースに、ボビー・ケッペルとブライアン・ウルフの両外国人右腕に斎藤。6人目が必要なときは左腕・八木智哉が投げるケースが多いが、いずれにしても斎藤はケッペルかウルフのどちらかを蹴落とさなければ、交流戦では先発の枠から外れることになるだろう。ケッペルが昨シーズンに12勝をマークしている実績を考えればターゲットは後者になるが、ハードルは決して低くない。
斎藤が2勝目を挙げた4月24日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦。六回裏のピッチングをあらためて振り返れば、よく1失点で切り抜けたなというのが正直な感想だ。
この回だけで3本のヒットを浴び、うち2本が長打コース。勝利投手の権利を得たまま後続にバトンを渡すことができたのは、楽天の拙攻に負う部分が大きい。無死一塁で5番・高須洋介がフルカウントからのボール気味のストレートに手を出して空振り三振に倒れ、走者の山崎武司が盗塁死。6番・岩村明憲に左中間を割られ、続く7番・ルイーズにもセンターのフェンスを直撃するタイムリーを浴びながら、打者走者のルイーズが緩慢な走塁で二塁直前で憤死した。
ルイーズに131キロのストレートを弾き返され、後ろを振り返った斎藤の表情は明らかにホームランを覚悟していた。ルイーズには二回にも一時は同点となるソロアーチを浴びている。
これが1失点で済み、チェンジになったのだから「持っている」となるが、ベンチで見守る梨田昌孝監督や吉井理人投手コーチら首脳陣の心境は決して穏やかなものではなかったはずだ。
楽天戦のストレートのマックスは、初回に2番・聖沢諒に投じた初球の140キロ。二回には先頭の山崎に136キロの直球をいとも簡単にレフトスタンド中段に弾き返された瞬間に、斎藤と3年目の大野奨太のバッテリーは「今日のストレートは通用しない」と決断したのだろう。
斎藤が投じた全90球のうち、ストレートはわずか17球。特に4月3日のチャリティーマッチでつるべ打ちにされた松井稼頭央や聖沢、鉄平らの左打者にはスライダー、フォークボール、チェンジアップ、カットボール、ツーシームといった小さく変化するタマを集中させた。
大半が低目にコントロールされ、結果として千葉ロッテマリーンズとのデビュー戦に続いて内野ゴロの山を築いたが、ここまで変化球を多投すれば必然的に握力は下がり、ボールの威力も減っていく。六回に3安打を集中されたことと決して無関係ではないはずだが、変化球を軸にしながら、なりふり構わずかわしていくしか斎藤が打者を打ち取る術がないのが現状でもある。
2勝目を挙げた数日後。吉井投手コーチは斎藤に対して「もっとストレートの割合を多くするように。そうしないと長いイニングを投げられないよ」と注文を出している。
沖縄・名護キャンプ中に行われた吉井、芝草宇宙両コーチとの面談で「かわすピッチングはしたくない。ストレートで空振りが取れる投手になりたい」と理想とする投手像を打ち明けた斎藤自身も、実際にマウンドで見せているピッチングは歯痒くて仕方ないはずだ。
体重がスムーズに左足に移動したときは、キレのあるストレートが顔をのぞかせる。しかし、その頻度は極めて稀。昨年から取り組むフォーム改造が、いまだしっくりきていない証でもある。
逆に体重が左足に乗り切らないときは手投げとなり、打者にとっては涎が出るほどの棒球になる。チームの勝利を第一に考えれば、キャッチャーのリードも変化球中心にならざるを得ない。
4月30日の西武戦で逆転勝利を収めた日本ハムは、両リーグを通じて10勝一番乗りを果たした。昨シーズンはクライマックス・シリーズにすら進出できなかっただけに、ペナントレースの浮沈を左右する交流戦では梨田監督も非情な決断を下す必要に迫られるだろう。
集客面などを考慮すれば、今後も日曜日に続く本拠地での3連投は約束されていると言っていい。そこで斎藤が首脳陣を納得させられる結果を残せるか否か。真価を問われる3本勝負が幕を開ける。
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2011年4月30日 23:54|記事URL|コメント(0)|トラックバック(0)
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