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FIFAランキングに演出された日本の「死のグループ」入り  by 藤江直人

FIFAランキングに演出された日本の「死のグループ」入り  by  藤江直人

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 FIFAランキングのみを基準にして、杓子定規的に4つのポットに振り分ければ、5分の1の確率でいわゆる「死のグループ」が形成されることは抽選前から分かっていた。
 日本時間の7月31日未明にブラジル・リオデジャネイロで開催された、W杯ブラジル大会出場をかけた大陸予選抽選会。アジア大陸は日本をはじめとするシード国が登場する3次予選の組み合わせ抽選が行われ、元日本代表監督のジーコ氏がドロワーを担当。日本はウズベキスタン、シリア、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と同じグループCに組み込まれた。
 ホーム&アウェー方式による総当りのリーグ戦形式で行われる3次予選は9月2日にいっせいにスタート。日本は初戦でいきなり難敵の北朝鮮をホームの埼玉スタジアムに迎える。


 他の4つのグループの組み合わせは下記のように決まっている。
グループA:中国、ヨルダン、イラク、シンガポール
グループB:韓国、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、レバノン
グループD:オーストラリア、サウジアラビア、オマーン、タイ
グループE:イラン、カタール、バーレーン、インドネシア
 スケジュールは9月2日、同6日、10月11日、11月11日、同15日と2011年のうちに5試合を消化し、来年2月29日に行われる第6戦をもって終了。各グループの上位2位までの計10か国が、同じく来年6月3日からスタートするアジア最終予選に進出する。


 3年後のW杯ブラジル大会へ向けたアジア予選は、前回のW杯南アフリカ大会にアジア代表として出場した日本、韓国、オーストラリア、北朝鮮と北中米カリブ海4位との大陸間プレーオフに進出したバーレーンの5か国をシード国として3次予選から出場させている。
 ここにアジア1次、2次の予選を勝ち抜いた15か国を加え、総勢20か国を5つのグループに分けていく。もちろんランダムに抽選を行うのではなく、20か国を実力順に5か国ずつ4つのポットに振り分け、ひとつのポットから1か国ずつをAからEまでに振り分けていく。
 ここで実力を示す唯一無二の基準として用いられたのが、7月27日に更新された最新のFIFAランキングだった。しかし、この順位が実力を正確に反映しているとは言い難い。


 FIFAランキングの算出方法は非常に複雑だが、原則的には過去48か月間に行われた国際Aマッチの勝敗をもとに、当該試合の重要度や対戦国の強さ、大陸連盟間の強さなどを加味して算出される。国際Aマッチの数が少なければ、必然的にその国のランキングは下降していく。
 今回の抽選で実力がもっとも劣るとされる第4ポットに振り分けられたのは、115位の北朝鮮を筆頭に119位のタイ、131位のシンガポール、137位のインドネシア、159位のレバノン。わずか1年前には南アフリカのピッチで戦っていた北朝鮮が、国際Aマッチの数自体が少ないがゆえにFIFAランキングをさげ、挙げ句、不相応な3ケタ台に甘んじている。当然、実力は他の4つの国とは異なる。
 冒頭において確率5分の1で「死のグループ」が形成されると記した理由は、北朝鮮が組み込まれた組は間違いなく困難な戦いを強いられることになるからだ。


「来たねー。久々の日本との対戦。やったるでー。」
 日本との対戦が決まった直後に、ツイッターでこう呟いたのは北朝鮮代表FW鄭大世。昨シーズン途中までJ1の川崎フロンターレでプレーし、現在はブンデスリーガ2部のボーフムに所属する27歳は、自身のブログでもFIFAランキングに対して率直な疑問を投げかけている。
「ってかなんで朝鮮代表が第4ポットに入ってるかってのが一番の疑問ですよね。普通なら日本、ウズベキスタン、シリア、そしてどこか比較的弱い代表チームのはずなのになぜそこで北朝鮮がくるかって日本からしてみてもえらい迷惑ですよね。当事者である俺らはいつも死のグループに入る理由が今回やっとわかった気がします(原文のまま)」


 これまでの日本との対戦成績を見ると、第2ポットから選ばれたウズベキスタン(FIFAランキング83位)に5勝2分け、第3ポットのシリア(同104位)に7勝1分けといずれも負けたことがないのに対し、北朝鮮とは6勝4分け5敗とほぼ互角の星を残している。
 W杯予選で振り返れば、ジーコ監督時代の2005年2月9日にW杯ドイツ大会出場をかけたアジア最終予選の初戦で対戦し、日本は後半ロスタイムに飛び出したFW大黒将志の決勝ゴールで2対1と辛勝した苦い思い出がある。くしくも会場は同じ埼玉スタジアムだった。
 現時点で最後の対戦となっているのは、中国・重慶で行われた2008年2月17日の東アジア選手権。1対1のドローに終わった中で、開始6分に先制ゴールを決めたのは鄭大世だった。


 照準を合わせやすい初戦という状況に加え、歴史的にも決して浅くない因縁をもつ日本が対戦相手に決まったことで、北朝鮮の選手たちのモチベーションは否が応でも高まってくる。
 鄭大世はツイッター上で、3年半前の対戦を振り返りながらこうも呟いている。
「今回の対戦は前回の重慶の時より俺にとっては大きな意味を持つ」「前回はまだひよっこでリーグでもそんなに結果を出してなかったけど、今回はそれなりのキャリアを歩みWカップにも出場して日本代表の選手の中にも友達がたくさんいるから面白くなりそうだ(ともに原文のまま)」
 日本サッカー協会の原博実・強化担当技術委員長も、協会広報を通じて発表したコメントの中で北朝鮮を「第4ポットの中では一番力がある」と警戒感を強めているほどだ。


 タイトルや出場権がかかった公式戦に楽な戦いは存在しないことは、1月のアジアカップが証明している。2大会ぶり4度目の優勝を飾った日本だが、1次リーグではヨルダンと辛うじて引き分け、今回のアジア3次予選でも対戦するシリアにはMF本田圭佑のPKで2対1と辛勝している。
 ましてや日本はアジア王者として畏怖され、長所も短所も研究され尽くされる。前回のW杯アジア最終予選で苦戦を強いられたウズベキスタンは1月のアジアカップで4位に躍進し、侮れない存在になった。広報を通じてコメントを発表したアルベルト・ザッケローニ監督も、イバラの道を覚悟している。
「3次予選なので、簡単なグループも、簡単な相手もいない。我々が入ったグループは難しいグループに思えるかもしれないが、ワールドカップに行くためにはいずれはやらなければならない相手であるし(中略)1試合1試合に集中して戦っていきたい」


 ドイツ、南アフリカと2大会連続でアジア最終予選にも進んでいない中国が73位というランキングが効いて第1ポットに入るなど、今回の大陸予選抽選会には首をかしげざるを得ない部分も残る。
 第2ポットのサウジアラビアやカタール、第3ポットのイラクやバーレーン、UAEといった難敵とは同じグループにならなかったが、第4ポットから北朝鮮が入ってきたことで一気にグループCの緊張感は増した。渡航に関して外務省から危険情報が一時発出されたシリア、日本と国交のない北朝鮮と続く11月11日、15日のアウェーでの連戦ではピッチ外でも神経をすり減らすだろう。
 未知の戦いが火ぶたを切るまであと1か月。「初めての経験を楽しみながら迎えたい」と腕をぶす指揮官は、8月1日から北海道で3日間のトレーニング合宿を実施。ロンドン五輪世代の若手を中心とする23人のJリーガーに自身のイズムを注入し、A代表全体の底上げを図る。


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2011年7月31日 23:43|記事URLコメント(1)トラックバック(0)

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コメント(1)

柏のFW田中順也、追加招集されて楽しみです!

ウズベキ、シリア、北朝鮮、どこも侮れないとこと同組になりましたね。特に北朝鮮、ジーコジャパン時のアジア最終予選・埼スタの試合は現地で生観戦しました。苦しんでの辛勝、鮮明に覚えています。埼スタで北朝鮮戦、何かありそうで、今から不気味です・・・

ですが、どの国ともいずれ当たるので、しっかり3次予選突破して最終予選も突破し、14年ブラジルW杯でアジアトップの誇りを魅せてほしいです。

最後に松田直樹選手の無事を祈ります。

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